21世紀型の教育の指針として、私はオランダで積極的に導入が進んでいるイエナプランに注目しております。探求と教育というテーマにおいて、学べることが多いので、ご紹介いたします。
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ワールドオリエンテーション
私がイエナプランのなかで、いいなと思っているものの一つに、ワールドオリエンテーションという学び方があります。例えば3か月といった期間を区切り、一つのテーマについて科目横断で学びます。テーマが「木」であれば、理科という視点で木を学ぶだけでなく、実際に木を写生したり、木をテーマに作文をしたり、葉っぱの性質から浸透力を学んだりします。
日本の場合、国語は国語、算数は算数、理科は理科、と科目毎の横のつながりを感じることはまずありませんが、イエナプランのワールドオリエンテーションは学びを各科目毎にぶつ切りに行うのではなく、総合的に行うものだということです。
いいですよね。単にテストでいい点数をとるための学びではなく、こういった学びだと色々な気づきもあり関心をもち、世の中が違って見える機会もきっと多いことでしょう。
学校で行われているものですが、家でも導入できることが多分にもあります。
ヤンセンの自転車モデル
ワールドオリエンテーションは、理念だけでなく、実践のための参考となるメソッドがあります。それが「ヤンセンの自転車モデル」です。
「ヤンセンの自転車モデル」では次の7つのステップで上から順々に学びを進めます。イメージは、「学習経験」というハンドルで自転車を操作するという感じです。
- 刺激する
- 問いを集める
- 計画する
- 探究する、経験的な発見・探求作業
- 発表する、報告する
- 記録し保管する
- 学習目標と照らす、目標を振り返り次の段階へ
学習にあたり、まず関心を持たせようと働きかけるという点が日本教育でイメージされるものとは大きく違います。まずは刺激をえることで、興味をもち、探求心がふつふつと湧いてきて、学びに広がりと深みがでるのでしょう。
ワールドオリエンテーションを補足
例えば、一つのテーマについてどのように横断的に学ぶことが出来るのでしょうか。少なくもこれだけの分野で学ぶことができるようです。
- 国語
- 算数
- 理科
- 作文
- 芸術
- 外国語
- 保健体育
- コンピューター(検索)
- 歴史
- 地理
最近では探求型の学びを実践する学校も増えてきているようです。とても良いことですね。
例えば音をテーマに「理科(物理)」と「音楽」を横断的に学ぶとしましょう。音がなる仕組みを物理を通して原理を学び、その原理を活用して楽器を作るという学習を行う。学んだ知識をどう生かすかということも学べるので、これはこれで良いと思います。
しかし、理科と音楽だけに限定せず、もっと幅広く音について学べるでしょう、ということですね。
難しいのは
従来型の教育は、何を学ぶか、という点に重点が置かれていました。
しかし、これからは、どのように学ぶのか、どこから学ぶのか、また学んだことをどう活かすのか、という視点こそが重要です。
こういう点を視野にしっかりといれ、どう子供を刺激すれば関心をもってもらえるか、これがとても難しいことですが、チャレンジしがいもありますね。
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