探求学習がいいって聞くけど、具体気に何をしたらいいのだろう、とちょっと困りますよね。子どもが遊びながら探求を深め21世紀に必要なソフトスキルを高めていく、我が家で実践した具体的な方法を紹介します。少しの工夫で誰でも気軽にできますから、是非ご参考にしてください。
対象年齢は、小学校低学年、幼稚園の年長さんのお子さんです。
探求プログラム
今回ご紹介するのは、「昔の人の生活」をテーマにした探求です。
ある時、昔の人はどうやって机を作ってたの?、と子どもが質問してきました。そもそも今使っている机すらどうやって作っているかも知りませんが、昔は今より不便であることは分かっているようで、純粋に疑問に思ったようです。
iPadなどを活用して、こうだよと説明するのも良いのですが、聴いて学ぶのではなく、実際に体験をして感じて学ぶほうが絶対に良いだろうと考え、民俗博物館に実際に連れて行くことにしました。
私たち親も初めて行くところです。だってわざわざ時間作って行っても決して楽しいところではありませんもの。
今回足を運んだのは、滋賀県野洲市にある民族博物館で、銅鐸博物館や弥生時代の住居や高倉式倉庫を再現した公園があります。今回の学びのフィールドここです。
全て用意したカリキュラムどおり進めていくのではなく、子どもの反応を見ながら柔軟に進めていきます。
対象年齢は、小学校低学年、幼稚園の年長さん、です。
(関連情報)
イエナプランから学ぶ「探求できる」子どもに育つメソッドを紹介します
何を学ぶ?
さすがに、都合よく昔の机はありませんでしたが、昔の人がどうやって物を作っていたかを学びます。
- (再現されたものでも)昔の人が作ったものを触って感じる
- 実際の体験プログラムを体験する
このプログラムは、小学校低学年、幼稚園の年長さん向けですので、最終的には、知識を得ていくことよりも、どうしてかな?と思うことを重視しています。
もちろん、子どもたちが、昔の人はこれを何に使っていたの?と質問してきたら、分かりやすく教えてあげます。ただし、こちらから一方的に押しつけがましく知識の伝達を行わないことが、楽しく遊びながら学ぶコツでしょう。
どう学ぶ?
それでは、我が家で行った民俗博物館をフィールドにした探求プログラムを順にご紹介いたします。
①弥生時代の家を感じる
弥生時代の家が再現されている場所がありました。こんな感じの家です。歴史の教科書で見たことありますよね。
この家は中に入れますし、触ることができます。中は明るい日中でも真っ暗でヒンヤリしています。また、草木の乾燥させたもので作っただろう屋根は触ってみるとずっしり重たいことが分かります。また、現代の家には当たり前のトイレや台所、お風呂はもちろんございません。
こんなに暗くて大丈夫かな?トイレしたいときはどうするんだろうね?と質問して、関心を高めてあげます。
②勾玉を作ろう
昔の人が作っていたものを体験で作成することができます。ハニワや勾玉等が作れますが、子供たちは勾玉作りを選びました。
作業時間は30分くらいで完了しますが、ちいさい子供には最後までやりきるのはちょっと難しく後半戦は親がバトンタッチして完成しました。砥石やヤスリで力をいれて石を研いでいき形を整えていきます。上の子はハート型を、下の子は勾玉の形を選びました。
多分柔らかい石を用意してくれているんだと思います。削る石は滑石というそうです。ゴシゴシ削っていく作業はけっこう力仕事で、折り紙をハサミでチョキチョキして整形していくのとはわけが違うことを体験して学ぶことができます。
③展示室をめぐる
こちらの民族博物館には、銅鐸の展示室があります。ほとんど複製品(レプリカ)ですが、中には本物もあります。銅鐸好きにはたまらないくらいの数の銅鐸があります。
最初は、まったく展示室に興味はなかったですが、①と②を経ることで、展示室も見たい、と子どもがいったので、見に行きます。内容はほとんど銅鐸ばかりで楽しかったかは分かりませんが、昔の人にイメージをはせていたことでしょう。
銅鐸の作り方もあり、かなり大変な工程でしたので、昔の人は何かと不便だったんだということが少しは分かったんだと思います。また、銅鐸は音を鳴らし魔除けにも使っていたことを伝えました。どう感じたでしょうか。
④家に帰って絵を描いて発表会
お家に帰ってから、今回の探求プログラムの感想を絵や文章で表現します。A3の落書き帳を1枚使って、印象に残っていること等を振り返りながら表現して、説明してもらいます。発表会ですね。
親は学校の先生にみたいにするのではなく、自分もへたくそでも同じように絵を描く等して表現し子供を前に発表します。
どのような探求が行われたのでしょう?
「昔の人をテーマ」にした探求プログラムではどのような探求が行われたのでしょうか。
一つは、昔の人は大変だったんだ、といことを体感できたことで、あれもこれも現代の生活と比べて、不便だということが分かりました。発表会の中で一番印象に残っていたのは、勾玉づくりだったようで、ハートをつくるのに、こんなにも苦労したことはなかった、とのことでした。
二つ目は、「昔の人」のテーマを通して、歴史を少し学べたこと、昔の人のアイテム(どんな物を使っていたのか)等を学べたこと、生活を垣間見ることができ、横断的な学びができました。
ポイントは?
とても大切なのは、遊びながら探求していくということです。また、テーマとしていることを、最初にどう関心を高められるかという点も重要なポイントです。
今回は、子どものなぜ?の答えをすぐに調べて教えるのではなく、実際に昔の人の生活を感じられる場所に行き、色々なことを感じました。昔の人は机をどう作っていたのを知りたい、ということからスタートし、最終的にこう作っていたんだよと学べることはありませんでした。でも大丈夫です。こういった子どもの素朴な疑問はとっても大切。すぐに答えを出さずに、時間をかけながら答えに、できれば自分なりにたどり着けばいいんじゃないでしょうか。必要なら何回でも民族博物館に行けばいいんですから。
高尚な習い事に通わせなくても、身近なところで探求の学びは工夫次第で行えますよ。ぜひご参考にしてみて、子どもの好奇心をツンツン刺激してあげてみてください。
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