子どもが遊びながら探求をすることは、遊んでいればよくあることですが、見逃すことは多くあります。そこで、本ページではどういう探求が行われるのか実例を紹介します。
探求プログラム
21世紀に必要とされる、AI時代に必要とされるスキル習得のためには、感性を磨き、自分なりにどう考えるのかどう判断していくのか、決して正解探しをしないことが大切です。これは日本の場合、学校教育だけで大半を育てていくことはなかなか難しいでしょう。ですから、普段の生活で探求する環境を子どもに与えてあげるのは、とても大切なことです。ご家庭でできますよ。
今回ご紹介するのは、「バランス」をテーマにした探求です。普段当たり前に行っていることですが、自分の体でバランスをとることに意識を向けて、バランスに関心をもち、探求を進めていきます。
全て用意したカリキュラムどおり進めていくのではなく、子どもの反応を見ながら柔軟に進めていきます。対象年齢は、小学校低学年、幼稚園の年長さん、です。
(関連情報)
イエナプランから学ぶ「探求できる」子どもに育つメソッドを紹介します
何を学ぶか?
バランスの探求プログラムでは、次のことを学ぶことを狙います。
- 自分の体の使い方
- 安定をとることの難しさ
- 植物も人工物もバランスしている
このプログラムは、小学校低学年、幼稚園の年長さん向けですので、最終的には、知識を得ていくことよりも、どうしてかな?と思うことを重視しています。もちろん、子どもたちが、どうして木々はまっすぐ立っているの?と知識を求めてきたら、分かりやすく教えてあげます。ただし、こちらから一方的に押しつけがましく知識の伝達を行わないことが、楽しく遊びながら学ぶコツでしょう。
どう学ぶか?
それでは、我が家で行ったバランスの探求プログラムを具体的にどのように行ったのかを順にご紹介いたします。
①クマさんにおもちゃを配達ゲーム
絵本の上に、マクドナルドのハッピーセットについてくるおもちゃを落ちないように置いて絵本を手に持ち、部屋の入り口に立ちます。部屋の端っこには、クマのぬいぐるみが置いてあります。おもちゃを落とさずに、ゆっくり歩きながらクマさんにおもちゃを届けるゲームをはじめます。
ただし、障害が一つあります。それは、親が前に進むことを邪魔するのです。ワーッと驚かしたり、こしょばそうとしようとしたり、しながら、邪魔をします。この障害を乗り越えて、おもちゃを落とさずにバランスを保ちクマさんまで運びます。
②外にあるバランス発見ゲーム
①のゲームで、バランスの難しさに関心を向けたあとは、家の外に出て世界にあるバランスを見つけます。なんでも良いのです。停車している車、地面から生えている雑草や木々、歩道に置かれているポスト等、全部バランスして地面に倒れていませんね。当たり前だと思っていたことに目を向けさせます。
まだ、6歳前後では、バランスの理屈は難しいと思いますが、それぞれ形が違うものが、それぞれバランスしていることに、少しでも『?』を思ってもらいます。
③まっすぐ片足ケンケンゲーム
6歳前後は体を動かすのが大好きです。うちの子は最近は、走りながら縄跳びができるようになって、縄跳びをよくしています。そこで、普段走りながら縄跳びしている道路で、倒れずに片足だけを使ってケンケンして前に進むことにチャレンジさせます。最初はうまく行きませんが、体の使い方を工夫をすることで、少しづつ前に進む距離がのびていきます。
どうもこの片足ケンケンは楽しくて達成感があるのか、ヘトヘトになるまで繰り返しやっていました。ヘトヘトになっちゃったので、ここで終了です。
どのような探求が行われたか?
このバランスの探求プログラムではどのような探求が行われたのでしょうか。
一つは、体の使い方の模索が行われました。どうすればゴールを達成できるのか。ゴールにたどり着くには、工夫が求められます。クマさんに配達も片足ケンケンも最初は失敗します。失敗しますが、あきらめずに工夫することで徐々にうまくいきます。
二つ目は、ただそこに在るものは、実はバランスしていることを、身をもって学べたことです。きょろきょろすることで、あれもそうかこれもそうかと自身で気づけました。
ポイントは?
とても大切なのは、遊びながら探求していくということです。また、テーマとしていることを、最初にどう関心を高められるかという点も重要なポイントです。
今回は、最初にクマさんに配達というゲームを楽しくできたことで、次につながっていきました。このクマさんに配達ゲームは子どもがyoutubeで見て面白かったという動画からヒントを得たこともあり、子どものウケは上々でした。
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