
山登りは21世紀に求められるスキルの一つと言われている「やり抜く力(グリッド)」を身につけるには良い手段という記事や本をちらちら目にします。飽き性でちょっと壁にぶつかったらすぐに諦めてしまう子どもに粘り強さを持って欲しいと、思うのは親心です。うちの5歳の子供は、折り紙の本を見ながら折り紙をしていて、途中からお手本どおりいかなくなると、イライラしはじめて折るのをやめてしまうことはよくあります。
よし、じゃあ1,000mを超える山に登ってグリッドを鍛えるぞ、と言ってもいきなり感がすごいですから、まずは身近な低い山でハイキングから始めたらよいと思います。また、目的を登頂にするのではなく、はじめのうちは「山の環境を楽しむ」ことを目指すのが長い目でみたときに良いのではと思っています。
遊び心を何より大切に
滋賀県には近江富士という山があります。標高は432mと低い山で、山道もですが、周辺も整備されていて、特に登山装備なくても楽しむことができまあす。当記事では、周辺のハイキングコースを歩いたときのことを紹介いたします。
10月も終わろうとしてたときで山々は冬支度を初めていましたが、まだ昆虫もいました。こういう山道では、ただただ前に向かって進むのも良いですが、足をとめて緑に目をやると、色々と発見することができます。観察しながら歩くのも楽しいです。

間近でバッタをじっと見る
けっこう大きめのバッタがいました。普段こんなにじっくり見ることはないので、興味をもって見ていました。蝶々もいたぞ
お花にチョウがとまっていました。これが可愛かったみたいで、あまり楽しそうじゃなかった顔が一転、パッと明るくなってきました。何か子供個々人が関心を示せるものが、自然にはあるんだと思います。
カマキリの卵
初めて見てびっくりしてました。昔はおばあちゃんの家にはカマリキの卵があって、孵化すると小さいカマキリが一杯出てくるんだよ、とお話をしてあげていたことはあったのですが、そのものを見るのは初めてで、想像していた形と違っていたのでしょうか、ちょっと驚いていました。
松の赤ちゃんの葉は柔らかい
観察というのは、ただ見るだけでなくて、自分の手で触ってみる、というのも経験として大切なことではないでしょうか。松の葉はツンツンと尖がっていて、触るとチクチクして痛いので、うちの子供は触ろうとはしません。勿論、山道に生えていた樹齢が若い松の葉も触ろうとはしませんが、親がお手本を見せて触った後に子供に触らせてみました。普段あまり触る機会がある人のほうが圧倒的に少ないと思うのですが、まだ赤ちゃんな松は、葉っぱはふにゃふにゃで、まったく痛くありません。結果的に、かわいい松さん、っと愛情込めていました。

ススキを使って探検隊
登った時には、道の両脇にけっこうな数のススキがありました。そのススキを手にもって、突然探検隊が始まりました。隊長になって、道を進んだり、親に命令を下したり、ススキを持った探検隊アイドルのコンサートが始まったり。ススキを手に持つことで、ごっこ遊びが始まるとは、そんな展開になるとは想像だにしていませんでした。


そして、今までは三上山の整備されたハイキングコースがジャングルへと変わりました。あの茂みの向こうに怖い動物が家を作っていてこっちを見ているとか、世界で初めての発見をしたり、と現実から切り離された想像の世界で、子どもは隊長として縦横無尽の大活躍を見せます。


この間、全然前には進めませんが、とても楽しそうにしているので、それで良いと思います。
少し険しい山道も挑戦するように
こういう体験を通して、環境に慣れたせいか、今では少し険しい山道も嫌がらずに登るようになりました。観察をしながら、遊びながら、登っています。標高の高い山々を登ることで、やり抜く力が一気に身についていくのかもしれませんが、低山でも子供にとっては、観察力を高め、創造力を育む場所となりますし、一歩一歩かもしれませんが、新しいことが出来ていくことが知らず知らず自信へとつながり、やり抜く力を育む効果もあると感じています。

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