探求学習がいいって聞くけど、具体気に何をしたらいいのだろう、とちょっと困りますよね。まだ子供が小さいうちは遊びながら探究活動することが、子どもにとってとても良いと思います。少しの工夫で誰でも気軽にできますから、是非ご参考にしてください。
対象年齢は、小学校低学年、幼稚園の年長さんのお子さんです。
探求プログラム
今回ご紹介するのは、「公園で1番」をテーマにした探求です。
北欧では、自然体験の中で、山の中で丸いものを3つ探してくるといった遊びをしていると知り、これいいなと思いました。手始めに公園でこういう遊びをやってみようと思い、近所の公園にいき、公園で1番大きいものと小さいものを探してきて、どっちが1番か競争する遊びをします。
探している中で、1番かわいいもの、も競争しようと子供から提案がありました。もちろんウェルカムです。これも含めて3つの競争がはじまります。
全て用意したカリキュラムどおり進めていくのではなく、子どもの反応を見ながら柔軟に進めていきます。
対象年齢は、小学校低学年、幼稚園の年長さん、です。
(関連情報)
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何を学ぶ?
観察眼を磨き、何が1番かを考えます。
- 漠然と見ていた公園の風景にはもっと色々なものがあることに気づく
- どういうものが1番かを考える
ちょっと立ち止まってみてください。「公園で1番大きいもの」とはどういうことでしょうか。何をもって一番大きいというのでしょうか。面積でしょうか、長さでしょうか、それとも体積でしょうか。大人の世界ではあらかじめ基準を示すことで大切です。ですが、このゲームでは、あえて何をもって1番とするかを言いません。子供たちで自分で考えてもらいます。最後に集めてきたものを比べるときに、トラブルが発生する予感がプンプンしますが、それでいいのです。
また、集めてくるものは1個でしょうか。複数集めてきても良いのでしょうか。
こういった前提となることは、大きいとは一番長いことだろうといった自分の思い込みがあるものです。もし大きいって何が大きいことなの?と聞いてきたら、長さにしようかと決めていきます。聞かれなければ指示しません。
どう学ぶ?
それでは、我が家で行ったやや広めの公園をフィールドにした探求プログラムを順にご紹介いたします。
①一番大きいの物を探そう
私は、持ち運びできるものを想定していたのですが、さっそく遊具を指さして、アレが一番大きいと言いました。う、うかつだった。持ち運びできるもの、ということはちゃんと言っておくべきでした。
ということで気を取り直して、公園をキョロキョロしながら、大きい物を探します。私は天狗の扇のような大きな枯れ葉を選びました。大きいの基準は面積です。子どもは、落ちていたドングリがついている枝木です。どうやら大きいの基準は面積だったようです。
偶然、基準が合致しました。さっそく、どっちが大きいか比べました。見るまでもなく子どもの方が大きく子どもが1勝です。
②次は一番小さい物を探そう
次は、公園にある一番小さい物を探します。私は小さな花が散り落ちていたのを見つけて、薄い赤色の花びらを一枚選びました。子どもは、どうやって取ったんだろうというほど小さい石をコンタクトを持つかのように、人差し指の上に置いていました。
今回も、2人とも小さいの基準は面積でした。比べるまでもなく、子どもの勝利です。2勝目ですね。勝ち続けるので、子どもはいい気分になっています。
③最後に一番かわいい物を探そう
公園にあるかわいいものって一体なんでしょうか。とっても困りました。私はいっぱい落ちている帽子がついている小さいドングリを選びました。子どもは、散り落ちていた様々な花を集めてきて、キレイにならべて、コレと言いました。とっても色鮮やかです。
なるほど、誰がみても子どものほうが可愛いですね。
集めてくるかわいいものは一つのものとは限りません。公園のなかから色々な素材を集めてきて、何かを創っていました。いいんじゃないですか。誰も「一つ」の物を探して拾ってきてとは言っていませんから。
どのような探求が行われたのでしょう?
「公園で一番」をテーマにした探求プログラムではどのような探求が行われたのでしょうか。
一つは、ふだん利用している公園も見方を変えることで、こんなものがあるのか、あんなものもあるのか、こんなことができるのか、と発見がありました。
二つ目は、何をもって一番なのかを自分の頭で決めて、探し出しました。このことでただ漠然と探すのではなく、自分で探す方向性を定めることが出来ました。
三つ目は、あれじゃない、これじゃない、こっちかな、こうしたらいいんじゃないか、こうしよう、これにしようという試行錯誤が行われました。大人はどうしても公園にあるものってこういうものだろうという先入観があるので、すぐ探索を止めてしまうかもしれません(私は止めてしまいました)が、子どもはそんな先入観も大人程ではありませんから、自身で納得するまで探索できます。
ポイントは?
とても大切なのは、遊びながら探求していくということです。また、テーマとしていることを、最初にどう関心を高められるかという点も重要なポイントです。
今回は、子どもが小さいなら、意図して大人が競争に負けてあげることも大切でしょう。また、あんなものもあるねぇとか、目線の向け方を大人がときには誘導することも大切です。
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