探求型の学びは家でも行おう。6歳でも楽しめる実践例を紹介
これだけ世の中の先行きが分からず、どんどんAI社会につき進んでいるなか、知識や情報の伝達型の教育だけでは、子どもの将来には不安を感じるのは無理もありません。そこで、当記事では、探求型の学びの実践について紹介します。
対象となるお子さんの年齢は、5歳、6歳、7歳あたりをイメージして記事にします。
伝達型の教育とは
これは、まさに私たち親世代が日本で受けてきた教育そのもの、だとイメージすれば分かりやすいと思います。東京都はどこにありますか?とか、フランスの隣の国は何という名前でしょうか?1192年にできた幕府は何という名前か?という類のものです。要は知識をいかに詰め込み(先生や教育カリキュラムから一方的に知識が伝達される)、テストですらすら質問に回答できるか、を問われていました。
こういったことって知っているに越したことありませんが、スマホで調べればすぐに答えがあります。
子どもたちが大きくなるにあたり、こういった知識を知ることはとても重要ですが、そればかりだと、これから社会に出ていくにあたり、とっても不安が残ります。今までのようにある程度正解と思われるものが世の中にあった時代ではなく、何が正解か分からない時代にすでにもう突入しており、自分でオリジナリティをもって考えることが強く求められるからです。
探求型の学び
これは、簡単にいうと、自分で問いをたてて調べ、機会があれば発表し、フィードバックを得ていく学びのことです。伝達型の学びのように〇〇を覚えなさい、ということでははく、自発的に疑問に思うことだから探求欲も高く、深く広い学びが得やすいでしょう。
例を挙げます。例えば「水」について考え下さい。
日本では英数国理社のように教科単位で学習しますが、「水」は理科・科学だけの学問ではありません。
- 算数では、水の流れの速度を学べます。なぜ雨粒が降ってくるかは計算で説明できます。
- 国語では、水が登場する詩を学んだり水が象徴的な映画を学び、水と私たちの生活のかかわりが学べます。
- 理科では、水の性質を学べます。気体、液体、個体なんてのは代表的なものです。
- 社会では、川と地形の関係や、川を利用した産業を学ぶことができます。
- 歴史では、戦国時代の川の治水の重要性を学ぶことができます。冬の登山についての学びも面白いでしょう。
このように、「水」と一言でいっても各教科横断的に学ぶことが出来るのです。
どうして毎日水分を補給しないといけないのだろう?と疑問に思ったとします。生物学的な観点(理科)からその理由を学ぶことができます。人類はいつでも簡単に水分を補給できる仕組みを創ってきたことを学べます(社会)。また、自分でそれらを調べるスキルもあわせて向上できるでしょう。
そのうち、雨が降っているんだから雨の水を飲めばいいんじゃないか、と思うかもしれません。ですが、降雨だけでは必要な量の水分を個人が簡単に獲得できないことが分かります(算数)。降雨から川への水の循環に関心がでて、実際に水百選に選ばれた場所に行きたいと思うようになるかもしれません(美術)。美しい川や海の写真を撮影してきたアーティストの半生を描いた小説を読みたくなるかもしれません(国語)。
このように、教科分断で言われて学ぶのではなく、自分で疑問に思い教科横断で学ぶこと。これが探求型の学びのイメージです。
6歳でも学べる方法
幼稚園生や小学校に入学したての子に、さぁ勉強よ、といってもそれはなかなか無理があります。そこでまだ小さければ、遊びをとおして探求型の学びを重ねていくことをお勧めします。
先日我が家で行った事例を紹介いたします。学習のテーマは「水」です。
まずは普段当たり前にある水に関心をもってもらおうと思い、味比べを行いました。①水道水の水②スーパーで買ったミネラルウォーター③水道水を煮沸して冷やした水、の3種類の水を飲み比べてもらいました。そうすると、③は苦みがあって一番美味しくない、というのです。同じ水でも味が違うんだということを体験しました。
次に、その日は雨上がりだということもあり、外に行って水を探しに行こう、と散歩にでかけました。親は水に関心を向けさせただけです。すると、水たまりがあって、ひらめいたようです。自転車の車輪で絵を道路にかけるのではないか、というのです。水たまりに自転車でつっこんで、抜け出ると、車輪についた水が、飛行機雲のようになるはずだというのです。実際にやってみると、思ったようになったようで、何度も何度も水たまりに自転車でつっこんでいました。
ディズニーランドでは、水を使って道路にミッキーマウスの絵を描いてくれる人がいるんだよ、と教えてあげるとさっそく、近くに落ちている枝を拾って絵を描こうとしましたが、これはうまくいかず諦めていました。でも、面白そうと自らチャレンジしていました。
道路をキャンパスにして描かれた水の絵が、今度は地図に早変わり。描かれた線の上を走りながら宝の地図を探していきます。ちなみに走りながら水たまりに映る空と雲こそ宝じゃないかと我ながらいい事言ったなと思ったんですが、子どもには全く響かず。
このように国語や算数といった教科にとらわれず、自身で関心をもち時には調べたり、時には表現したりして興味や疑問を探索し深めていくことが大切です。
けっこう、気軽にできますよね。ぜひ参考にしてみて下さい。
我が家は滋賀県に住んでいて、身近に多くの自然がありますので、探求型の学びや遊びに活用していきたいと思っています。
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